年号で整理するアメリカ古典映画史 1930~40年代

eigakan

古典映画の整理学

 

今回は、古典映画を鑑賞する中で増えていく情報を整理する方法を紹介します。古典映画を鑑賞していると、同じ俳優の顔を複数の作品で見かけることがしばしばあります。

また、同じ監督の作品を見かけたり、ジャンルや筋書きが似ている作品に出会ったりすることも。特に、友人と話していると、全くの別物だと思っていた映画の思わぬ共通点に気づかされるものです。

古典映画に関する知識を自分なりに整理しておくことで、新しい景色が見えてきたり、友人との会話をより弾ませたりできるのです。そこで、今回はとてもシンプルな古典映画の整理方法を1つご紹介します。映画を鑑賞するにあたって、その映画が製作された年号を覚える、というものです。

映画が製作された年号を覚えるだけで、ある有名な俳優が活躍した時代が分かり、俳優の成長の過程が楽しめたり、そのライバルと比較したり、監督たちの技術の変遷をたどれます。何よりも、政治経済の話題の中で同時代の古典映画を引き合いに出し、おカタい会話に華を添えることが出来るのです。

このシリーズでは、1930年代に音声付き映画が席巻した時代から、1973年に西洋諸国の経済成長がひと段落した年までを扱います。今回は始まりの1930年代と40年代をとりあげます。

それでは、ざっくり洋画史を通して、20世紀の映画シーンの変遷を振り返りましょう。

 

1930年代の洋画史

 

音声付き映画(トーキー)の登場

1930年代は、音声付き映画(トーキー)が世界中に普及した時代です。それまでは無声映画が主流でした。無声映画は現在、DVDなどで目にする機会があまりないため、世に知られたビッグタイトルの歴史は、この時代から始まります。

1927年に製作された初めてのトーキー『ジャズ・シンガー』や、1929年の第一回アカデミー賞に支えられ、映画が文化として認められ始めたのが1930年代です。この勢いに乗り、不況にも関わらず、大規模な映画会社の下で大規模な名作が次々に登場します。

同時期に縦割りの役割分担で映画を大量生産する「スタジオシステム」が採用され、衣装、俳優、脚本家をはじめとするその道のエキスパートが育ったことも、1930年代から40年代にかけての名作の登場を後押ししました。この時代は「ハリウッド黄金期」と呼ばれます。

 

名作が続々と誕生

1930年に『西部戦線異状なし』や『モロッコ』が、1936年に『モダン・タイムス』が、1939年に『風と共に去りぬ』や『駅馬車』が製作されました。『モロッコ』は、はじめて日本語字幕が付されたトーキーとして有名です。

それまで無声映画に音声を付けていた活動弁士の活躍の場所を日本で奪ってしまった作品である本作は、他のメディア作品に登場することもしばしばです。1977年には、金田一耕助シリーズの2作目『悪魔の手毬歌』で、活動弁士だった登場人物が失職する場面で一部映されています。

チャップリンによる『モダン・タイムス』は、資本主義への警鐘としてテレビなどでも見かける機会が多く、社会科の教科書にも載っている名作です。『風と共に去りぬ』は、3年の月日を費やして製作された大作であり、世界中の映画館で上映され続けました。ちなみに、1970年代の日本を描いた『ちびまる子ちゃん』でも近所で上映中の映画として取り上げられています。

『駅馬車』の主演のジョン・ウェインが、この映画での演技が認められて長いスランプを脱し、映画史に残る大スターへの道を歩み始めたのは有名な逸話です。

1930年代は、トーキーの創成期でありながら「スタジオシステム」によって名作が続々と生まれ、後に大俳優として名を馳せる名優がスクリーンを彩った黄金時代です。

 

1940年代の洋画史

 

第二次世界大戦が映画に与えた影響

1940年代は、スタジオシステムが引き続き超大作を生み出す中で、第二次世界大戦中に戦争プロパガンダ映画が登場し、映画俳優の徴兵志願によってキャスト陣に一時的な変化が見られた時代です。

1940年代の映画界に大きな影響を与えた出来事は、何といっても第二次世界大戦でした。41年には、アメリカが第二次世界大戦に参戦します。その中で、1942年の『カサブランカ』のような戦争プロパガンダ映画が作られます。

また、第一次世界大戦から20年を経て、前の大戦を主題とする映画も名作として名を連ねます。1940年の『ガス灯』、1942年の『心の旅路』などです。1943年には、『誰が為に鐘はなる』も製作されます。

戦争中には、多くの有名な俳優が戦地に赴いたため、レーガン元大統領をはじめとする当時のB級俳優の仕事が増えたそうです。『カサブランカ』が元々、ハンフリーボガートではなく、レーガンの主演を想定して製作されたのも有名な逸話です。

ちなみに、田中角栄元首相のお気に入りの映画だったのが、『心の旅路』です。田中元首相は脳梗塞の後遺症で言語障害を患いましたが、この映画を時々鑑賞し、観る度に涙を流していたそうです。

 

第二次世界大戦の終結

大戦が終わった後には、1946年に『荒野の決闘』と『素晴らしき哉、人生!』が公開されます。『素晴らしき哉、人生!』は、戦争が終わった開放感が感じられる映画です。

そして、1940年代の映画史を語る上で欠かせないのが、1948年の「パラマウント訴訟」です。この判決で、5大映画会社による「スタジオシステム」は過度な寡占や独占を禁止する反トラスト法違反だとみなされてしまいました。大規模な映画製作を支えた「スタジオシステム」の衰退によって、超大作はこの時代から徐々に少なくなっていきます。

 

まとめ

 

今回は、映画に音声が付き、「スタジオシステム」の下で名作が次々と登場した「ハリウッド黄金期」と呼ばれる1930年代から40年代までを取り上げました。次回は、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンローといった有名女優が活躍した1950年代から60年代の古典映画の世界を探訪します。是非ご一読ください!

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leotsuno

東京の大学生。趣味は演劇の勉強。副専攻としても演劇を勉強している。